便通改善だけじゃない⁉食物繊維の働きと効果的な摂取方法をご紹介

2024-01-08

食物繊維とは

食物繊維とは『人の消化酵素で分解されない食物中の総体』と定義されています。

分かりやすい言葉にすると『小腸で消化されず、そのまま大腸に到達する成分』です。

「消化されないなら身体に影響しないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、食物繊維は『第6の栄養』と言われるほど人体の健康維持に欠かせない成分です。

食物繊維が多い食品は以下の通りです。

食物繊維の良い働き

では、食物繊維の良い働きとはどの様なものがあるのでしょうか?

便通改善

食物繊維の効果として代表的なのが『便通改善』です。

食物繊維には、水に溶ける『水溶性食物繊維』と水に溶けない『不溶性食物繊維』があります。

水溶性食物繊維は、水分を多く含むため、腸内で固くなった便に水分を含ませて柔らかくする効果があります。

不溶性食物繊維は、水分を含んだまま膨らむ性質があり、便のカサを増して腸内運動を刺激する効果があります。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維で働きが異なるため、両方をバランス良く摂取することで、より大きな効果が得られます。

血糖値の上昇を緩やかにする

食物繊維には『血糖値の上昇を緩やかにする効果』があります。

特に、水溶性食物繊維は、小腸での糖質の吸収を緩やかにしてくれます。

血糖値が急激に上昇すると『インスリン』というホルモンが過剰分泌されます。

インスリンには『脂肪の吸収を妨げる作用』があり、過剰分泌されると『身体に脂肪を溜め込みやすく』なります。

また、血糖値が急激に上昇し、高血糖状態が続くと、将来の『糖尿病のリスク』を高めます。

そのため、血糖値の上昇を緩やかにする「食物繊維」を摂取することは、生活習慣病の予防にも効果的です。

血中コレステロール値を下げる

食物繊維には『血中のコレステロール値を下げる効果』があります。

特に、水溶性食物繊維は、体内のコレステロールに吸着して、対外に排出する働きがあります。

コレステロール値が高い状態が続くと、脂質異常症や高血圧などの病気になりやすくなります。

食物繊維を習慣的に摂ることで、病気の重症化リスクを下げることもできます。

食物繊維が不足すると

食物繊維が不足して起こる症状で、最も代表的なのは『便秘』です。

先ほど説明した様に、食物繊維には便通を改善する効果があるため、不足すると排便が滞りやすくなります。

深刻な便秘により腸内環境が悪化すると、痔や大腸がんなどのリスクが高くなります。

また、食物繊維を摂取しないと、将来的に生活習慣病に陥りやすいと言われています。

食物繊維の不足は、皆さんの将来の健康にも大きく影響をしてしまうのです。

食物繊維の効果的な摂り方

ここからは、より効果的な食物繊維の摂り方をご紹介します。

水溶性と不溶性の両方を摂る

食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2つに分類されます。

先ほど説明した様に、どちらも働きが異なるため、両方とも摂ることで、相乗効果が期待できます。

効果的な摂取量は人によって異なりますが、バランスとしては『水溶性食物繊維を多めにする』と良いでしょう。

食物繊維が多い主食を選ぶ

主食は、原材料に穀類が多く、効率的に食物繊維を摂取できます。

穀類は、外皮に食物繊維が豊富ですが、白米や麺などの一般的な主食は、食べやすくする為に、外皮の部分が取り除かれてしまっています。

そのため、主食を『未精製の穀類』にすることで、より多くの食物繊維を摂取できます

未精製の主食の例としては、玄米や全粒粉麺、ライ麦パンなどがあります。

主食選びのポイントとしては『白色でなく茶色』のものを選ぶことです。

1日に1食で構いませんので、食物繊維が豊富な主食を食べる様にしましょう。

水分と一緒に摂る

水溶性食物繊維は、水分を多く含んで便を柔らかくする効果があるため、水分と一緒に摂取すると効果的です。

逆に、不溶性食物繊維は、腸内で膨らんで便のカサを増やすため、水分と一緒に摂取しないと便秘になってしまいます。

食事に汁物を追加するか、食事の前後に水分を摂ることを意識しましょう。

まとめ

さて今回は、食物繊維の働きと効果的な摂取方法について説明してきました。

食物繊維は、栄養価の低い食品ですが、人間に嬉しい効果が沢山あります。

皆さんも、将来の健康リスクを下げるために、毎日の食生活に「食物繊維」を取り入れてみてはいかがでしょうか。