チアシードって一体何?今注目のスーパーフードを管理栄養士が徹底解説
1.チアシードとは
チアシードとは、シソ科の「チア」という植物の実のことを言います。
小さい粒状の食品ですが、その栄養価の高さから、スーパーフードとして注目が集まっています。
水を含むとプチプチとした食感になるのが特徴で、無味無臭のため、食事に取り入れやすい食品です。
2.チアシードの栄養価
チアシードがスーパーフードと呼ばれる理由は、その栄養価の高さにあります。
チアシードには、タンパク質、α-リノレン酸、食物繊維、ミネラル(カルシウム、鉄など)が豊富に含まれています。
それぞれの栄養価については、下記の解説をご覧ください。
・タンパク質
チアシードは、植物性の食品にも関わらず、タンパク質がとても豊富です。
・α-リノレン酸
α-リノレン酸は、必須脂肪酸である「オメガ3脂肪酸」の1つです。
必須脂肪酸は、体内でつくることができないため、食品から摂取する必要があります。
α-リノレン酸には、血液中の中性脂肪を低下させたり、アレルギーや炎症を抑える働きがあります。
・食物繊維
チアシードの3分の1は、食物繊維が占めています。
特に、こんにゃくにも含まれる「グルコマンナン」が豊富で、水を含んで胃の中で膨らむ性質があります。
便通改善はもちろん、満腹感から食べすぎを防ぐ効果もあります。
・カルシウム
チアシードは、乳製品に並ぶほどカルシウムが豊富です。
カルシウムは、骨をつくる材料となる栄養素で、不足すると骨粗鬆症などのリスクが高まります。
・鉄
チアシードは、鉄が豊富で、ほうれん草の約3倍も含まれています。
鉄は、全身に酸素を運ぶために重要な働きを担っており、健康維持の為に欠かせない栄養素です。
3.チアシードの効果
チアシードには、身体に嬉しい効果が沢山あります。
3-1.ダイエット効果
チアシードを食生活に取り入れると、ダイエット効果が期待できます。
チアシードは、栄養価が高いにも関わらず、大さじ1杯(15g)当たり約60kcalしかなく、とても低カロリーです。
また、チアシードに含まれるグルコマンナンは、水を含むと10倍以上に膨らむため、腹持ちも良く、少量で満足感を得られるため、食べ過ぎ防止にもつながります。
更に、チアシードは食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富で、腸内環境の改善や新陳代謝の向上の効果もあるため、継続的に摂ることで、太りにくい身体をつくることができます。
3-2.血糖値の上昇を抑える
チアシードに多く含まれている「食物繊維」は、糖の吸収を緩やかにする作用があります。
食後に血糖値が急上昇すると「インスリン」というホルモンが過剰に分泌されます。
インスリンは、脂肪の分解を妨げ、身体に脂肪を溜め込みやすくします。
そのため、糖の吸収を緩やかにして、インスリンの過剰分泌を抑えることは、糖尿病や肥満の予防にもつながります。
3-3.冷え性の改善
チアシードに含まれる必須脂肪酸「α-リノレン酸」は、血液を流れやすくして、細胞組織の働きを正常に保つ働きがあります。
α-リノレン酸を摂ると、血液がサラサラになり、血行が良くなると言われています。
そのため、積極的に摂ることで、冷え性の改善に効果的です。
3-4.アンチエイジング効果
チアシードに多く含まれるミネラルの1種である「セレン」には、高い抗酸化作用があります。
セレンは、甲状腺ホルモンの活性化に必要な成分で、細胞の酸化を防ぐ働きがあります。
また、チアシードには、ポリフェノールも多く含まれており、老化の原因となる「活性酸素」の働きを抑えてくれるため、老化の防止につながります。
4.チアシードの食べ方
チアシードは、水で戻して食べるのが一般的です。
常温の水に、1時間以上浸しておくと、プルプルになり、食べやすくなります。
プルプルになったチアシードは、ヨーグルトやシリアル、スムージーなどに混ぜても、食感が良くて美味しく食べられるので、おすすめです。
また、乾燥した状態で食べることも可能ですが、一度に沢山食べると、お腹に不調をきたす可能性があります。
チアシードは、1日に大さじ1杯(約15g)を目安に食べる様にしましょう。
5.チアシードの注意点
ダイエットやアンチエイジングなど、嬉しい効果が沢山あるチアシードですが、食生活に取り入れる際に、注意したいことがあります。
5-1.乾燥した状態での過剰摂取
チアシードには、水を吸収すると約10倍以上に膨らむという特徴があります。
そのため、乾燥した状態で大量に食べると、胃や腸で水分を含んで大きく膨らみ、お腹の不調につながります。
食物繊維が豊富で整腸作用があるチアシードですが、過剰に摂取すると、かえって便秘や下痢を引き起こす原因にもなるため注意が必要です。
5-2.薬との組み合わせ
チアシードに含まれる「α-リノレン酸」は、血行促進作用があります。
そのため、高血圧や高コレステロールの薬を服用している場合は、効果が強くなり過ぎる危険があります。
常備薬との組み合わせが不安な方は、医師に相談をしてみてください。
5-3.アレルギー反応
チアシードは、シソ科の植物の実であり、強いアレルギー反応を引き起こす場合があります。
特に、同じシソ科の「オレガノ」や「タイム」などの食物アレルギーがある方は注意が必要です。
6.まとめ
さて今回は、チアシードについて解説してきました。
チアシードには、美容や健康に嬉しい効果が沢山あります。
最近では、ハリウッドスターやモデルが健康食品として紹介したことで、注目が集まっています。
日本でも普及が広がっており、スーパーマーケットでも簡単に購入できます。
興味のある方は、是非一度、購入してみてはいかがでしょうか。