このままだと10年は寝たきり⁉健康寿命を伸ばす食生活とは
平均寿命と健康寿命
言わずと知れた長寿大国、日本。そんな日本で近年、注目されているのが『健康寿命』という言葉です。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
健康寿命とは、「健康上の問題で、日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されており、寝たきりや要介護にならず自立して生活できる期間のことを指します。対して平均寿命は「その年に生まれた子どもが何年生きられるか」を表した数値です。
厚生労働省によると近年、日本人の平均寿命と健康寿命には「約10歳の差」があります。つまり日本人は平均して、10年間は「健康でない期間」を過ごしているのです。
せっかく長生きをしても、寝たきりで毎日を過ごすのは悲しいですよね、、、。
そこで今回は、管理栄養士の資格を持つ私が考える『健康寿命を伸ばす食生活』をご紹介します。
「いつまでも元気な毎日を送りたい」「いくつになっても趣味を楽しみたい」という方は、毎日の食生活の参考にしてみてくださいね。
健康寿命を伸ばす食生活
日本人が健康を考える上で避けて通れないのが悪性新生物、いわゆる「がん」です。40~90歳の死因で最も高い割合を占め、日本人の健康寿命が伸び悩んでいる要因の1つです。
つまり、この先も健康的な毎日を送る為には「がんを予防すること」が重要になってきます。
この観点から、特に重要な食習慣を3つに絞ってご紹介します。
食品添加物と残留農薬を避ける
「食品添加物」という言葉を聞くと、なんとなく身体に悪そうな印象を受けますよね。実は身近な食品にも多く潜んでおり、日本人の多くは無意識のうちに口にしています。
というのも、日本で使用が許可されている食品添加物は『約1,500品目』もあり、アメリカ(約133品目)やドイツ(約60品目)、イギリス(21品目)などの海外諸国と比較をしても、圧倒的に多数の食品添加物の使用が認められているのです。
「国産は安全」、「日本の食品は身体に良い」というイメージは全くの勘違いで、日本は『世界一の食品添加物大国』と言っても過言ではありません。
では、そんな食品添加物を避けるにはどうすれば良いかと言うと、先ず実践してほしいのが「食品を選ぶ際は、原材料名を確認すること」です。
具体的には、食品の「原材料名」に記載されている『「/」より後ろの品目数』を確認してください。そこに記載されているのが、まさに『食品添加物』なのです。
食品添加物を多く含む食品の代表として、インスタント食品やレトルト食品があります。更に「コンビニエンスストアで購入する食品」には特に注意が必要です。
なぜなら食品添加物は、食品の『見た目を良くするため』や『保存をきかせるため』に使用されており、工場でまとめて生産をして各地に流通されているコンビニエンスストアの食品は、『添加物まみれ』と言っても過言ではありません。
毎日自炊をするのは難しいという方は、食品を選ぶ際、できるだけ『原材料名「/」より後ろの品目数』が少ないものを選びましょう。
そして、お惣菜やお弁当は、『店内調理をしているスーパーマーケットやお弁当屋』を選ぶ様にしましょう。同様に、菓子パンや惣菜パンを購入する際は『店内で焼き上げているパン』を選ぶと良いでしょう。
少し意識をするだけで食品添加物の摂取量は大幅に減らすことができます。
塩分摂取量を減らす
食品に含まれている塩分は目に見えず、知らないうちに摂り過ぎてしまう傾向にあります。
塩分を摂り過ぎて血中の塩分濃度が上がると、「胃がん」のリスクが高まるだけでなく、高血圧や動脈硬化にもつながります。
減塩をする上で注意が必要なのが『調味料の使用』です。料理に味付けをする際は、醤油や味噌、ソースなどの使用量を減らすことを意識しましょう。料理に味気がなくなると感じる際は、『お酢』や『かつおぶし』などで酸味や香りをつけるのもおすすめです。
また意外と注意が必要なのが、味噌汁やスープなどの『汁物』を飲むことです。日本人の塩分摂取量の目安が、男性8.0g以下、女性7.0g以下なのに対し、汁物の食塩相当量は1~2g/杯ほどあり、毎食飲むと直ぐに塩分過剰になってしまいます。汁物は、1日に2杯までに抑える様に意識しましょう。
発酵食品を摂る
皆さんは『腸活』という言葉をご存じですか?腸活とは、腸内環境を整える生活習慣のことを言い、『大腸がんの予防』効果はもちろん、『免疫力の向上』や『美肌効果』もあると注目されています。
そんな腸活に効果的なのが『発酵食品』です。発酵食品は、微生物が原料を分解することでできた食品であり、保存性や栄養価を高めたり、味わいを良くする目的で作られます。
発酵食品の代表例としては、味噌や納豆、ヨーグルトなどが良く知られています。その他にも食生活に取り入れやすい食品として、キムチやチーズ、ワインなどがあります。
一度にたくさん摂る必要はありませんので、少量でも毎日1つは発酵食品を摂る様に意識してみましょう。
まとめ
さて今回は、『健康寿命を伸ばす食生活』というテーマで、将来のがん予防に効果的な3つの習慣をご紹介してきました。
今回ご紹介した習慣は、あくまで一例ですが、がん予防の対策として効果が高いものばかりです。
皆さんも健康的に長生きできるよう、今から意識できることを毎日の食生活に取り入れてみてくださいね。