身体に良い油と悪い油とは?油の分類と見分け方

2023-07-01

油の分類

食品の油は、大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分類されます。

飽和脂肪酸は、バターやラードなどの動物性の脂質に多く含まれます。酸化されにくいのが特徴で、常温で固形状態で存在します。

不飽和脂肪酸には、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸が存在しています。一価不飽和脂肪酸のオレイン酸には、オリーブオイルやこめ油に含まれる脂質があります。

多価不飽和脂肪酸には、n3系とn6系のものが存在し、どちらも体内で生成することができない必須脂肪酸になります。n3系の油には魚の脂やえごま油、n6系の油には大豆の脂やごま油が分類されます。

その他にも、不飽和脂肪酸に水素を添加して人工的に作られた『トランス脂肪酸』があります。トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングに多く含まれています。

悪い油について

最も避けるべき悪い油は『トランス脂肪酸』です。トランス脂肪酸を摂取すると、LDL(悪玉)コレステロールが増加し、動脈硬化や心臓病のリスクが上がります。トランス脂肪酸は、人体に有害な油として、アメリカでは2018年から使用が禁止されているほどです。

しかし、トランス脂肪酸は比較的安価である為、日本ではまだ幅広い食品に使われています。多く含まれる食品として、インスタント食品やファストフード、菓子類があります。例えば、カップ麺の調味油、フライドポテトの揚げ油、菓子パンのマーガリンなどは殆どが『トランス脂肪酸』です。

また、飽和脂肪酸にもトランス脂肪酸と同様のリスクがあると言われており、できるだけ避けておきたい油になります。バターや肉の脂も、極力避けるようにしましょう。

良い油について

身体に良い油であるオレイン酸やn3系、n6系不飽和脂肪酸には、HDL(善玉)コレステロールを増やしたり、LDL(悪玉)コレステロールを減らす効果があり、心臓病のリスクを下げると言われています。これらは人間の体内で生成できないことから、『必須脂肪酸』と呼ばれており、食べ物から摂取したい油になります。

特にn3系の油は、肌や髪を美しく保ったり、血行を良くしたり、脳の発育を助ける効果がありますが、実は『日本人が摂取している油の割合で最も少ない』とされています。n3系不飽和脂肪酸である『DHA(ドコサヘキサエン酸)』や『EPA(エイコサペンタエン酸)』は青魚に多く含まれており、「魚は身体に良い」と言われる理由の1つです。

その他にも、大豆やナッツ類の油は体内の老廃物を流す効果があると言われており、間食などで適度に摂ることを意識すると良いでしょう。

まとめ

食品に含まれる油には、身体に良い油と悪い油が存在します。

身体に良い油には、心臓病のリスクを下げたり、体内の老廃物を流したりする効果があり、健康の為にも毎日の食生活で摂る必要があります。

反対に、トランス脂肪酸など身体に悪い油を摂ることは、動脈硬化や心臓病のリスクを上げる危険があります。

とはいえ、良い油も悪い油も同じ脂質であり、約9kcal/gもありますので、油の摂り過ぎには注意が必要です。摂取量の目安としては、成人ですと約50g/日ほどであり、大さじスプーンで表すと4杯分になります。

是非この機会にご自身の食生活を見直して、できるだけ良い油を選ぶことを心がけてみてくださいね。