コロナ禍で健康志向が加速⁉日本人が本当に意識すべき食習慣

2024-01-10

コロナ禍による食生活に関する意識の変化

新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、日本人の「食生活」に関する意識が大きく変わったことを皆さんはご存知ですか。

農林水産省が令和3年3月に発表した『食育に関する意識調査』によると、新型コロナウイルス感染症の流行以前と比較して、「自宅で食事を食べる回数」や「自宅で料理を作る回数」が増加したと回答した国民の割合は全体の約3割を占め、日本において「自炊」の文化が更に広がりました。

同時に、日本人の「健康志向」が一層強くなり、いわゆる『健康的な食事』にも注目が集まっています。

そんな中で今回は、日本人が『本当に意識すべき食習慣』を紹介します。

少しの意識で変えられる5つの食習慣

皆さんは「健康的な食事」とは、どの様なものだと想像しますか?

管理栄養士の資格を持つ私から見ても『健康的な食事』を一言で表現するのは難しく、掘り下げて考えていったら、キリがありません。

そこで今回は、「専門知識がなくても変えられる食習慣」だけに絞り、5つの方法を簡単にご紹介します‼

朝食ではカロリーよりもGI値を意識する

皆さんは「GI値」という言葉を聞いたことがありますか?

GI値とは、「血糖値の上昇度」を表す指数のことで、『GI値が高い=血糖値が急上昇する』食品ということになります。

多くの人は、1日の中で夕食~朝食までの時間が最も長く、朝食時は血糖値がとても低い状態にあります。その状態でGI値が高い食品を食べて血糖値を急上昇させてしまうと、「インスリン」というホルモンが過剰に分泌されます。インスリンは、「血糖値を下げる」という作用の他に「脂肪を作る」、「脂肪の分解を防ぐ」作用があり、過剰分泌されると「糖尿病」や「肥満」のリスクを高めてしまいます。

その為、空腹状態にある朝食時にGI値の低い食品をとることは、将来の健康につながるのです。

GI値の高い食品と低い食品の具体例は、以下の通りです。

とはいえ、朝食を全てGI値の低いものに置き換えるのは簡単ではないですよね。

そこで個人的には先ず、主食をGI値が低い『全粒粉パン、玄米、オートミール』などに置き換えるところから始めるのをおすすめします。

また朝食は、多少カロリーが高くなっても、1日の中で消費される為、問題ありません。

余力がある方は、GI値が低い主食にプラスして、葉物野菜や汁物、乳製品を摂取すると更に良いでしょう。

間食は200カロリー以内で食べる

単にダイエットという観点から考えると、間食はできるだけ食べない方が良いと思っている方も多いかもしれません。

確かに1日のカロリー摂取量を抑えるという意味では、間食の食べすぎは良くないです。

一方で、間食を食べる事は「ただ食欲を満たす」だけでなく、次の食事の際に血糖値が急激に上昇するのを抑える効果があります。つまり簡単に言うと「食事の食べ過ぎを防ぐ」ことができるのです。特に、一般的に食事量が多くなる『夕食前』に食べるのが効果的と言えます。

間食は、昼食~夕食の間に『200カロリー以内』で好きなものを味わって食べましょう。

脂質が多い洋菓子などを食べる場合は、脂肪の吸収を抑える成分を多く含む『緑茶や紅茶、ルイボスティー』などを一緒に飲むのも良いでしょう。

更にダイエット中の方は、『洋菓子より和菓子』、『脂質・塩分が少ないお菓子』を意識すると効果的です。

1日に1つ発酵食品を食べる

発酵食品とは、原料に含まれるタンパク質やデンプンを微生物が分解することで生成された加工食品を指します。日本で馴染みのある食品としては、味噌、納豆、ヨーグルト、チーズ、キムチ、ぬか漬け、お酢などが挙げられます。

発酵食品を食べると、腸内の免疫細胞が活性化し、免疫力を高める効果があります。更に、大腸内に善玉菌が増えることで腸内環境が整い、お通じ改善やダイエット効果も期待できます。

一般的に、菌が腸内で活動できるのは3日程度と言われている為、腸内の善玉菌を減らさないためにも、『1日1種類は発酵食品を食べること』を意識しましょう。

食事は20分以上かけて食べる

1回の食事にかける時間は『20分以上』が理想と言われています。理由としては、食事を始めてから、脳の満腹中枢が働くまでに約20分ほどかかる為です。早食いをして20分以内に食事を終えてしまうと満腹感を感じず、結果的に「食べ過ぎ」につながります。

とはいえ、習慣化された早食いを変えるのは簡単ではありません。ゆっくり食べるコツとして先ずは、「噛む回数を数える」「1口を小さくする」「こまめに箸を置く」などを意識してみましょう。

食品添加物を避ける

食品添加物とは、食品の製造過程で添加されるもので主に、食品を食べやすくしたり、保存をきかせたりする目的で使用されます。最近では「無添加」を売りにした商品が日本にも多く出回っており、食品添加物が身体に良くないという意識は皆さんも持っているのではないでしょうか。

戦後より日本では食のインスタント化が進み、即席めんやレトルトカレーなど、手軽に調理ができ、長期間保存可能な食品の普及が広まりました。そして正に、これらの食品を開発する上で欠かせないのが「食品添加物」なのです。

とはいえ、現代の食生活から全ての食品添加物を取り除くのは、ほとんど不可能といっても過言ではありません。なぜなら食品添加物は、調味料やパン、惣菜など、とても身近なものにも含まれているからです。

そこで、食品を選ぶ際に見てほしいのが、食品の「原材料名」です。原材料名の『「/」より後ろに記載されているもの』こそが食品添加物にあたるものになります。

毎日の食生活から少しでも食品添加物を減らす為に、食品を選ぶ際は『原材料名』を確認する様にしましょう。

まとめ

さて今回は、『日本人が本当に意識すべき食習慣』を5つに絞ってご紹介しました。

習慣化されている毎日の食事を変えることは、簡単ではありません。

しかし、今回ご紹介した方法を少し意識をするだけでも、5年後、10年後の健康状態は大きく変わることでしょう。

これからも健康的な毎日を送り続ける為、この機会に自身の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。