トランス脂肪酸ってなに?健康への影響と食品の例を紹介します
トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸とは、油脂を精製・加工する過程でできる脂肪酸の一種です。
天然には殆ど存在せず、人工的に作られた『不自然な脂肪酸』と言えます。
トランス脂肪酸は、健康を害するという理由で、多くの先進国では『注意喚起の表示義務』が定められています。一部の国では、使用を制限されているほどです。
しかし日本では、まだトランス脂肪酸の注意喚起の義務や基準値は存在しておらず、認知度も低いとされています。
日本人のトランス脂肪酸の摂取量は、世界的に見ると低いと言われてきましたが、近年、食のインスタント化が進み、摂取量の増加が問題視されています。
特に、共働き世帯が増えたことで、家庭の味離れが深刻化して、子供のトランス脂肪酸の摂取量が増えていると言われています。
子供の食事は、心身の成長や将来の健康に大きく関わるため、見逃すことができない問題の1つです。
トランス脂肪酸の健康への影響
トランス脂肪酸は、人間の健康にどの様な影響があるのでしょうか?
トランス脂肪酸には、LDL(悪玉)コレステロールを増加させ、HDL(善玉)コレステロールを減少させる作用があります。
そのため、継続的に摂取することで、肥満や脂質異常症につながります。
更に、トランス脂肪酸の過剰摂取は、あらゆる心疾患(狭心症・心筋梗塞・冠動脈不全など)を引き起こす原因になり、命に関わる問題にもなり得るのです。
その他にも、糖尿病やアレルギー性疾患を引き起こすきっかけにもなると言われています。
肥満体型の方やアトピー体質の方は特に、トランス脂肪酸の摂取を控えた方が良いでしょう。
最も注意したいのは『妊娠中もしくは授乳中の女性』です。
トランス脂肪酸は、胎盤や母乳を通じて、胎児や乳児に届いてしまいます。
妊娠中の女性がトランス脂肪酸を過剰摂取すると、必須脂肪酸の吸収が悪くなり、胎児の成長を妨げられます。深刻な場合は、早期流産や低出生体重児の原因にもなります。
授乳中の女性が摂取したトランス脂肪酸は、母乳から乳児に与えられ、子供の健康に悪影響を及ぼします。
トランス脂肪酸は、身体のエネルギー源にはなりますが、健康への良い影響は全くありません。
他の油脂と比較しても、健康への悪影響は計り知れず、できるだけ避けたい油です。
トランス脂肪酸が豊富な食品
トランス脂肪酸は、水素添加された硬化油である「マーガリン」や「ショートニング」に多く含まれています。
これらの油は、比較的安価であるため、バターやラードの代用として、幅広い食品に使われています。
特に、マーガリンが入った「お菓子」や「パン」、ショートニングを使った「揚げ物」には注意が必要です。
また、安くて食べやすい「ファストフード」や「コンビニエンスストアの食品」には、舌触りを良くしたり、サクサクとした食感を生み出すために、トランス脂肪酸が添加されていることがあります。
また、動物の肉や乳の一部には、天然に生成されるトランス脂肪酸が含まれています。
トランス脂肪酸は、油であるため、基本的には油を多く使用した食品に多く含まれていると思ってください。
まとめ
さて今回は、トランス脂肪酸について説明してきました。
日本では認知度が低く、規制も緩い「トランス脂肪酸」ですが、健康への悪影響は計り知れません。
本記事をきっかけに、毎日の食生活からトランス脂肪酸を減らしてみてはいかがでしょうか。